修学旅行に付き添ってくれるツアーナース(添乗看護師)って?

■ツアーナースとは

ツアーナースとは添乗看護師とも言い、名前の通り企業の団体旅行や学校の修学旅行・宿泊行事に付き添い、児童や生徒、参加者の体調管理や急病・怪我の対応を行う看護師のことを指します。
日本ツアーナースセンターでは、児童や生徒、参加者が安全に安心して旅行に参加できるよう、健康状態の把握および急な怪我・急病時に看護師が出来る業務範囲内(一次救命処置・ファーストエイドのみ、医療行為はできません)での対応をしています。

■ツアーナースを手配する必要性、メリットは?

学校や旅行会社(代理店)が看護師を手配する必要性、メリットとはなんでしょうか。
宿泊を伴う修学旅行などでは年齢問わず、環境の変化に伴う体調不良を起こしてしまうことは珍しくありません。また、非日常的な環境で興奮状態となり、転倒や怪我が起こりやすい環境にもなります。学校にいる間は養護教諭がいますが、修学旅行では学校の先生や添乗員だけの場合もあり、対応に困る場面が少なくありません。そんなとき知識をもって適切に対応するのがツアーナースです。

■ツアー中のどんな対応が多いの?

ツアーナース(添乗看護師)は具体的にどのような場面でどのような対応をしているのでしょうか。
当社でツアーナースの対応をいただいた看護師複数名にインタビューをしました。

【対応が多いベスト3】
1、バスなどでの乗り物酔い
2、レクリエーション中の擦過傷や軽度の捻挫
3、夜間の熱発や体調不良

1、移動中の体調不良といえば「バスでの車酔い」があげられます。
ツアー前日楽しみで寝不足、普段乗る機会の少ない大型バスの臭いにより、など理由は様々ですが、当社で対応いただいた看護師から一番多く報告がありました。
車酔いの訴えがある場合は、風に当たるために窓を開けたり、リラックスできる体勢にする、ツアーナースが持参した飴を舐めさせるなどの対応をいただいています。

2、レクリエーション中、ついはしゃいでしまって生徒同士で衝突したなど、怪我の報告も多くあります。学校・旅行会社が用意または日本ツアーナースセンターオプションの 【救護セット】を使用し手当を行います。

3、1、乗り物酔いと同じく、普段慣れない場所や初めての宿泊行事の緊張、天候・気温差、旅程の疲れなどから、就寝時間後の熱発や体調不良の報告も少なくありません。日本ツアーナースセンターでは就業時間後も宿直対応(オンコール)として対応しています。

■ツアーナースとしてどんな看護師が来てくれるの?

修学旅行などにはどのような看護師が対応しているのでしょうか。先生方や添乗員の方もどんな看護師が付き添ってくれるのか少なからず不安もあると思います。
そこで当社でツアーナースをしている看護師はどんなきっかけでツアーナースのお仕事をするようになったのか、またツアーナースのやりがいを伺いました。

〈ツアーナースになったきっかけ〉
・子どもが好きなので、子どもと関わる仕事がしたいと思い始めた
・一緒に働いていた先輩がツアーナースになるために退職したことがきっかけ
・病院勤務の休日を使いお仕事をしたかった
・旅行好きのため、ツアーナースに興味があった
・自分の修学旅行では味わえなかった楽しい感覚が得られるのではと思った

〈ツアーナースのやりがい〉
・自身(ツアナース)が関わったことで、子どもたちが「体調管理の大切さを学ぶこと」は将来とても大事になるので、そんなきっかけになれれば嬉しいと思っている
・「看護師さんがいてくれてとても安心した」と言ってもらえること
・皆が笑顔で修学旅行を終えるのが嬉しい、体調不良者だった子が元気になって最後まで行程を終えられたときはやりがいを感じる
・また一緒に行きたいですねと先生や添乗員さんに言って貰えた時
・病児が旅行中の活動に参加できるようアセスメントができること、担当小児科医師と事前に連絡を取り合い、計画ができたこと
・帰りに子供たちが『ありがとう』など言いに集まってくれること
・子供たちの一生の思い出のひとつに居ることができること

【ツアーナースが出発前に必ず確認していること】
当社にツアーナースの依頼をいただいた場合、依頼主様には以下書類の提出を必ずお願いしており、ツアーナースに事前に情報共有をしております。
◉行程表(旅のしおり)
◉アレルギーや要配慮者の名簿

上記を共有した際にツアーナースが依頼主とは別目線で必ず確認していることはなんでしょうか。

・行程のなかにハイキングや山登りなどの内容があるか
→準備していく服装はもちろん、気温や湿度が高くなることが予想される場合、水分不足で体調不良になるケースが多い。そのため先生方や添乗員に事前に情報を共有し、一緒に水分補給を促してもらい、水分を取らず体調不良になることを未然に防ぐ努力をしている
・食物アレルギーや内服薬持参者、要配慮者の名簿の確認
→食物アレルギーなどの症状が出た場合、命にかかわる危険性があるため、必ず事前に目を通し、当日先生方にも再度確認をしている。
果物アレルギー報告のない児童が自由時間に自身で果物を摂取し、帰りのバスでアレルギー反応の蕁麻疹が出てしまった、といった例もあるため、看護師による事前の名簿把握とあわせて、依頼主の皆さまには参加者のアレルギー報告の徹底をお願いしている。
・看護師自身の入浴時間
→入浴中、入浴直後は迅速な対応ができないため入浴時間の確認をしている。万が一対応があった場合の流れなども、先生方や添乗員と連携を細かくとるよう心がけている。

【ツアーナースからご依頼主へ】
旅行中対応するもののなかには、イレギュラーなケースも少なくありません。実際にイレギュラー対応いただいたツアーナースから、「こうだったら良かったな」を伺いました。
・しおりの中などに生徒名がある部屋割り表があったらよかった
⇒体調不良でツアーナースの部屋や救護室に直接来ることが多いが、感染症対策も含めツアーナースが宿泊部屋に伺うほうが良い。また経過観察のためにお部屋に訪問したいため。
・感染症対策以外にも直接対応する際には「除菌シート」「アルコール消毒液」「ゴム手袋」があると安心
⇒日本ツアーナースセンターオプションの【救護セット】には含まれています。
・熱中症対応のために「ナトリウムを100mℓあたり40~80mg含んでいる飲料(厚生労働省推奨)や経口補水液」「瞬間冷却剤」があると対応の幅が広がる
⇒ペットボトルでなくても粉末状のものでも可。救急セットなどに入れておいてほしい。

■これからの学校系宿泊行事は?

日本ツアーナースセンターでは2021年のサービス開始以来、43都道府県、1カ国にてツアーナースを手配して参りました。※1
ですが、2020年の新型コロナウイルス感染症流行以降、ツアー催行数・ツアーナース依頼数は下火になっていましたが、昨年と本年は全国から多くのご依頼をいただきました。
日本修学旅行協会が刊行した「教育旅行年報データブック2022」によると、修学旅行の「中止」が大幅に減少し、「旅行日数・旅行方面・時期」などを再検討後、2021年度内開催への変更が増加。2020年度に比べると多くの学校が修学旅行実施結果となりました。
◆中学校:895校のうち、実施したのは78.3%(2020年度:実施1,.4%/1046校中)
◆高等学校:930校のうち、実施54.1%(2020年度:実施2.,1%/1147校中)

新型コロナウイルス感染症流行前の高等学校修学旅行では「沖縄県」「海外」など空路を利用するツアー先が人気でした。しかし現地で新型コロナウイルス感染症を発症した生徒が出た場合など、保護者の迎え手段が空路しかないなどの理由から飛行機を使用しない行き先に変更する学校も多くなりました。今後も暫くはこの傾向が続く事が予想されます。

■まとめ

日本ツアーナースセンターでは、御見積・ご相談は無料で承っております。
当社では全国に900名を超える看護師に登録いただいているため、出発地やツアー先在住などご希望に合わせて看護師を手配することも可能でございます。※2
また体調不良時のバイタルチェックに必要な「聴診器」「血圧計」「パルスオキシメーター」「腋窩体温計」などの医療機器と、看護師着用の「腕章」「バッグリボン」「身分証」その他備品を揃えた【救護セット】をご用意しております。

2023年に多くの催行が見込まれる修学旅行や宿泊行事に、今後も多くの看護師手配を行って参ります。
ご予算や心配事、急な依頼を含めお気軽にご相談くださいませ。
※1:個人依頼のツアーナース含む
※2:ご希望の添えない場合もございます。お問い合わせください。

参考記事:
漫画家しながらツアーナースしています。 著者:明
日本修学旅行協会「教育旅行年報データブック2022」

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